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歯の神経を抜くのは痛い?治療中の麻酔と抜いた後の痛みについて
こんにちは。歯科衛生士のLMです。
9月は夏の疲れが出やすく、体調の変化を感じる方も多い時期ですね。季節の変わり目は免疫力も低下しやすく、お口の中のトラブルが出やすくなる時期でもあります。
その中で、 「虫歯が進行して歯の神経を抜くと言われたけれど、痛さはどのくらい?」 「治療中や治療後はどれくらい痛むの?」 と不安に感じて検索されている方も多いのではないでしょうか。
実際の臨床でも、根管治療(歯の神経の処置)に対して「怖い」「痛そう」というイメージを持っている方はとても多くいらっしゃいます。 この記事では、歯の神経を抜く治療の痛みについて、治療中と治療後に分け、痛みを和らげる対処法も含めて歯科衛生士がわかりやすく解説します。
そもそも「歯の神経を抜く」とはどんな治療?
歯の神経を抜く治療は、専門用語で「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれます。 歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる、神経や血管が通っている組織があります。虫歯菌がこの歯髄まで達して感染を起こすと、激しい痛みや炎症を引き起こします。
一度感染してしまった神経は元には戻らないため、感染した神経や組織を取り除き、根管内部をきれいに洗浄・消毒して薬を詰める必要があります。これが「歯の神経を抜く」という処置です。ご自身の歯を抜歯(ばっし)することなく、長く残すための非常に重要な治療になります。
治療中、歯の神経を抜く痛さは感じる?
結論からお伝えすると、適切に麻酔が効いていれば、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。 現在の歯科治療では、麻酔をしっかり行うことで痛みを最小限にコントロールすることが可能です。
治療中に痛みを感じやすいケース
基本的には痛くありませんが、以下のような状態の時は麻酔が効きにくく、処置中に痛みや違和感を感じる可能性があります。
- 炎症が非常に強い場合: 虫歯を放置して痛みがピークに達している状態だと、周囲の組織が酸性に傾き、麻酔薬が中和されて効きにくくなります。
- 下の奥歯の治療: 下あごの骨は厚く硬いため、上の歯に比べて麻酔の液が浸透するまでに時間がかかることがあります。
治療中に「痛い」と感じた場合は、絶対に我慢しないでください。左手を挙げて合図をしていただければ、歯科医が麻酔を追加するなどの適切な処置を行います。
治療後(神経を抜いた後)の痛みについて
「神経を抜いたのに痛い!」と驚かれる患者さんも多くいらっしゃいます。 実は、治療後には一時的に痛みや違和感が出ることがあります。特に多い症状は以下の3つです。
- 噛んだときの痛み(咬合痛)
- ズキズキとした軽い鈍痛
- 歯の周囲や歯茎(はぐき)の違和感
神経を抜く処置は、歯の根の先にある組織に少なからず刺激を与えます。これは外科手術の後の傷口と同じで、治療によって周囲の組織が炎症反応を起こすために生じる正常な反応です。
痛みはどのくらいの期間続くの?
通常、治療後の痛みは数日~1週間程度でピークを越え、徐々に落ち着くことが多いです。痛みの感じ方には個人差があり、全く痛みが出ない方もいれば、数日間痛み止めが必要になる方もいます。
神経を抜いた後の痛みを和らげる対処法
治療後の痛みを少しでも軽減し、状態を悪化させないためのポイントをご紹介します。
- 処方された痛み止めを正しく服用する: 痛みを我慢せず、歯科医院で処方された鎮痛剤を指示通りに服用してください。
- 治療した歯で硬いものを噛まない: 治療直後の歯は非常にデリケートです。食事の際は反対側の歯で噛むように意識しましょう。
- 血行が良くなることを避ける: 激しい運動、長時間の入浴、過度な飲酒は血流を促進し、痛みを強くする原因になります。治療当日は安静に過ごすことが大切です。
痛みが引かない・どんどん強くなる場合は?
1週間以上経っても痛みが引かない、あるいは以下のような症状がある場合は、別の原因が潜んでいる可能性があります。
- 強い痛みが長く続く
- 歯茎が大きく腫れてきた
- 膿(うみ)が出ている
このような場合は、根管内に細菌の感染が残っている可能性や、歯の根が割れている(歯根破折)状態などが疑われます。放置せず、早めに歯科医院で再度の確認と処置を受ける必要があります。
「痛みがない=問題ない」ではない、放置するリスク
ここで注意していただきたいのが、「痛みがないからといって安心とは限らない」という点です。 神経の治療は、見た目ではわかりにくく、内部での状態が非常に重要になります。
途中で通院をやめて放置してしまうと、根管内で細菌が再び繁殖し、歯の根の先に膿の袋を作ってしまうことがあります。これを放置すると、最終的には抜歯が必要になったり、周囲の骨を溶かして歯周病を悪化させる原因にもなります。実際の臨床でも、「痛みはないが感染が深く進行していた」というケースは少なくありません。
安心して治療を受けるために
歯の神経の治療に対して不安がある場合は、以下のことを心がけてみてください。
- 事前に治療の流れや期間の説明をしっかり受ける
- 麻酔の方法や痛みのコントロールについて確認する
- 不安な点や疑問を遠慮なく歯科医師やスタッフに質問する
歯科医院では、患者さん一人ひとりの状態や痛みの感じ方に合わせて治療を進めていきます。
まとめ
歯の神経を抜く(根管治療)は、不安に感じる方が多い処置の一つですが、現在の歯科医療では治療中の痛みは麻酔でコントロールできることがほとんどです。
治療後に痛みが出ることもありますが、多くは一時的なものであり、適切な対処で乗り切ることができます。そして何より大切なのは、痛みの有無だけで自己判断し、治療を中断しないことです。
根気よく最後まで適切な治療を受けることが、あなたの大切な歯を一生涯残すことにつながります。お口の中で気になる症状や不安がある場合は、我慢せずに早めにかかりつけの歯科医院でご相談ください。
